概要
東京都中野区
JR中野駅北口から徒歩2分程の一等地にあった中野サンプラザ。
2023年7月2日の公演を最後に営業を終了しました(宴会場やレストラン、ホテルなどのホール以外の施設は2023年6月30日をもって営業終了)。
中野サンプラザは1973年6月1日に「全国勤労青年会館」としてオープンしました。この「全国勤労青年館」というのは旧労働省の特殊法人である雇用促進事業団が雇用保険法に基づいた勤労者向けの福祉施設としてオープンされました。
その後、利益が見込める施設として民間への譲渡が求められていたこと、勤労者向けの福祉施設が廃止になることなどから2004年12月より「株式会社中野サンプラザ」運営の民間施設となりました。
三角形を組み合わせたような他にない特徴的な外観となっており、館内には2,222人収容可能な大ホールにホテル、宴会場、レストランなどがありました。
閉館前の時点で
- B2F プール、スタジオ、トレーニングジム
- B1F 音楽スタジオ「BASE ON TOP」、スポーツ・スペースフロント
- MBF 中野サンプラザボウル、インターネットカフェ「サイバック」、フラワープロデュース「D‘S」、駐車場
- 1F 玄関ロビー、インフォメーション、チケットコーナー、イタリアンカフェ「スペリオーレ」
- 2F~4F 大ホール
- 5F 株式会社中野サンプラザ総合事務所
- 6F 写真室、美容室「ヤマノビューティーウェルネスサロン」、神殿、チャペル、親族控室
- 7F 研修室、美術教室、和室教室、服飾教室
- 8F 研修施設受付、研修室、グループ室、テニスコート
- 9F レンタルオフィス
- 10F 和室宴会場
- 11F 宴会場
- 12F 婚礼用更衣室、エステ「ヤマノビューティーウェルネスサロン」
- 13F~15F 宴会場
- 16F ホテルフロント、客室
- 17F~19F 客室
- 20F レストラン「121ダイニング」、日本料理「なかの」
となっていました。
トイレはB1F〜1Fと5F〜16F、20Fに設置されていましたが、調査できたのはB1F、MBF、1F、7F、8F、13F、15F、16F、20Fとホテルのダブルルームと和室、イタリアンカフェ「スペリオーレ」内、コンサートホール(1階席)になります。
画像
B1F
男性用トイレ
手洗場はTOTOのL546が3台の設置でした。
小便器はTOTOのUS401C(S)が3台の設置でした。
【珍品】大便器個室は洋式2室の設置でした。
便器はTOTOのCU714でした。CU714Vの壁給水仕様になります。CU714Vは何回か見かけたことがありますが、CU714に関してはここで見かけたのが初めてだったりします。
多機能トイレ
便器はTOTOのCU714でした。
手洗場はTOTOのL590Aでした。
多機能トイレ内にはベビーシートが設置されていました。
MBF
男性用トイレ
手洗場はTOTOのL546が2台の設置でした。
【珍品】小便器はこの階だけTOTOのUU372が2台設置されていました。
【珍品】大便器個室は洋式1室の設置でした。便器はTOTOのC740P(D)が設置されていました。
多機能トイレ
便器はTOTOのCU714でした。
洗浄動画です。
手洗場はTOTOのL590Aでした。
多機能トイレ内にはベビーシートが設置されていました。
多機能トイレに関してはB1Fの配置を左右逆にした以外はほとんど同じ造りでした。
1F
女性用トイレは2か所あったようですが、男性用トイレ(と多機能トイレ)は東側出入口付近に1か所あっただけでした。
男性用トイレ
手洗場はTOTOのL546が2台の設置でした。
小便器はTOTOのUS401C(S)が3台の設置でした。
大便器個室は洋式1室の設置でした。
便器はTOTOのC48SRでした。
多機能トイレ
扉や内装はそんなに新しくないですが、器具類は一度更新したようです。
TOTOの「コンパクト多機能トイレパック」が設置されていました。低層階では唯一のウォシュレット設置か所でした(しかし2023年5月下旬時点でウォシュレットは故障中だった)。
便器はTOTOのCS211BDPR、便座はTOTOウォシュレット アプリコットF2(TCF4712系)でした。
便器付近の小型手洗器は「コンパクト多機能トイレパック」専用品でした。
手洗場も「コンパクト多機能トイレパック」でした。
多機能トイレ内にはオストメイト設備がありました。これも「コンパクト多機能トイレパック」専用品です。
確認できた限りでは中野サンプラザ内で唯一のオストメイト設備でした。
乳幼児設備としてベビーシートの設置もありました。
7F
男性用トイレ
手洗場はTOTOのL546が3台の設置でした。
小便器はTOTOのUS401C(S)が3台の設置でした。
【珍品】大便器個室は洋式2室の設置でした。
便器はTOTOのCU714でした。便座はINAX(現LIXIL)シャワートイレP20タイプ(CW-P22AM)でした。
多機能トイレ
便器はTOTOのCU714でした。便座はINAX(現LIXIL)シャワートイレP20タイプ(CW-P22AM)でした。
手洗場はTOTOのL590Aでした。
多機能トイレ内にはベビーシートがありました。
8F
男性用トイレ
手洗場はTOTOのL546が3台の設置でした。
小便器はTOTOのUS401C(S)が3台の設置でした。
【珍品】大便器個室は洋式2室の設置でした。
便器はTOTOのCU714でした。便座はINAX(現LIXIL)シャワートイレP20タイプ(CW-P22AM)でした。
多機能トイレ
便器はTOTOのCU714でした。便座はINAX(現LIXIL)シャワートイレP20タイプ(CW-P22AM)でした。
手洗場はTOTOのL590Aでした。
多機能トイレ内にはベビーシートがありました。
13F
男性用トイレ
【珍品】手洗場はTOTOのL832 Q4が向かい合わせに2台ずつの計4台設置されていました。
小便器はTOTOのUS301C(S)が5台の設置でした。
【珍品】大便器個室は洋式3室の設置でした。
便器はTOTOのCU714でした。便座はINAX(現LIXIL)シャワートイレP20タイプ(CW-P22AM)でした。
多機能トイレ
閉鎖されていました。
15F
男性用トイレ
手洗場はTOTOのL525Rが4台の設置でした。
小便器はTOTOのU370が3台とU307Cが1台の計4台設置されていました。
大便器個室は洋式3室の設置でした。
手前2室はTOTOのC14RSが設置されていました。便座はTOTOウォシュレットP(TCF580M)でした。
奥の1室は簡易多機能個室になっていました。便器はTOTOのC48SRでした。便座はTOTOウォシュレットP(TCF581M)でした。
16F
男性用トイレ
手洗場はTOTOのL546が2台の設置でした。
小便器はTOTOのUS401C(S)が2台の設置でした。
【珍品】大便器個室は洋式1室の設置でした。
便器はTOTOのCU714でした。便座はINAX(現LIXIL)シャワートイレP20タイプ(CW-P22AM)でした。
多機能トイレ
便器はTOTOのCU714でした。便座はINAX(現LIXIL)シャワートイレP20タイプ(CW-P22AM)でした。
手洗場はTOTOのL590Aでした。
多機能トイレ内にはベビーシートがありました。
20F
男性用トイレ
手洗場はTOTOのL830系が1台の設置でした。
小便器はTOTOのUS520Cが1台の設置でした。
大便器個室は洋式1室の設置でした。便器はTOTOのC740P(D)、便座はLIXIL(INAX)シャワートイレRTタイプ(CW-RT1)でした。
ちなみにこちらを見る限り、2007年頃の時点ではTOTOウォシュレットGBが設置されていたようです。
客室(ダブルルーム)
この部屋は3点ユニットになっていました。
便器はINAX(現LIXIL)のC-25SCUでした。便座はLIXIL(INAX)シャワートイレU100タイプ(CW-U121R)でした。
ちなみにC-25SCUはC-25SUの壁給水床排水タイプになります。C-25SUはよく見かけるC-25PU(壁排水)の床排水版ですね。C-25PUは2014年まで発売されていた一方でC-25SUは1999年に製造を中止しています。しかしC-25SCUについてはその後も製造が続いたらしく2007年9月開業のホテルサンルートプラザ新宿の客室トイレに設置されているのも確認しています。
ホテルや部屋についてはこちら↓


客室(和室)
こちらはトイレ風呂別になっていました。
TOTOの「NEWワンピース便器」CS880Bが設置されていました。CS880Bは1995年に発売が開始されました。同じくワンピース便器のCS406系の後継機種みたいなものですが、CS406系も2009年くらいまで発売されていたので実際のところどうなのでしょうね。さらにその後、CS806B系というCS406系の後継機種も発売されていますし(しかしCS806B系は短期で製造が終わってしまいましたが…)。
便座はLIXIL(INAX)シャワートイレKB20タイプ(CW-KB21)でした。
手洗場はTOTOのL590でした。
和室についてはこちら

イタリアンカフェ「スペリオーレ」店内
「スペリオーレ」はイタリアントマト系列のカフェになります。中野サンプラザの1Fにありました。ホテル営業末期の時点で朝食付きプランを選ぶと「スペリオーレ」の4つのメニューから選択する形になっていました(それ以前は20Fのレストランで食事できたらしい)。
男性用トイレ
洋式1室の設置でした。小便器はありませんでした。
見ての通り個室内は狭かったです。
【珍品】便器はTOTOのCU714でした。便座はINAX(現LIXIL)シャワートイレP20タイプ(CW-P22AM)でした。
【珍品】手洗場はTOTOのL832 Q4が設置されていました。
コンサートホール
コンサートホールは中野サンプラザ正面玄関を入ったところにある大階段を上った先、2階がメインの出入り口になります。
今回は1階席のトイレだけ調査できました。
1階席のトイレは2か所あり、コンサートホール左右にある階段を1Fまで下りた先にそれぞれありました。また多機能トイレが別途設置されているようですが、立ち入りできない場所にあったので今回は調査していません。
ホール左側(1階席)
男性用トイレ
手洗場はTOTOのL546が5台の設置されていました。
【珍品】小便器はTOTOのUU317Pが向かい合わせで計10台設置されていました。
【珍品】大便器個室は洋式3室の設置でどの個室も便器はTOTOのC740PDが設置されていました。
ホール右側(1階席)
男性用トイレ
手洗場はTOTOのL546が5台の設置されていました。
【珍品】小便器はTOTOのUU317Pが向かい合わせで計10台設置されていました。
【珍品】大便器個室は洋式3室の設置でどの個室も便器はTOTOのC740PDが設置されていました。
コメント
どのトイレも1980年代~1990年代に改修されたようで開業時からと思われるトイレはありませんでした。内装も豪華なところが多かったです。多機能トイレも数が多い上にほぼすべてにベビーシートが設置されていたので改修された時代を考えれば先進的だったのではないかと思います。
しかし低層階(B1F、MBF、1F)のトイレはちょっと汚いなと個人的に感じました。また鼻につく嫌な臭いもしました。高層階(16Fホテルや20Fレストラン)のトイレは清掃が行き届いていて非常にきれいだっただけに残念に感じました。
ちなみにここはTwitterでも紹介しています。
2023年7月2日の公演を最後に全館閉館(と建替)が決まってる中野サンプラザ。
ここのトイレは珍しいものがたくさんありました。
TOTO UU372、CU714、C740Pなど…
建物自体は1973年築と古いですが、トイレは今回見たところはどこも1990年代に改修されたようでした。 pic.twitter.com/VQoUnSziIq— T.O (@BooaYmHVUXCN0JL) April 21, 2023
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